
中性脂肪とは、カラダの中に蓄えられる脂質の一種のことです。肉類の脂身、乳製品、天ぷら油やサラダ油…食物に含まれる脂肪のなんと90パーセント以上が、実は中性脂肪なのです。 知らず知らずのうちに摂っているのが中性脂肪なのですね。
なぜか最初から悪者のように思われがちですが、中性脂肪って、実は私たちが活動するためのエネルギー源として、なくてはならないものなのです。食事から摂った中性脂肪は、まず小腸で分解されて→血液中に取り込まれて→全身の組織に運ばれて→エネルギーとして使われるのです。
中性脂肪は体内でエネルギーとして燃やされますが、燃えずに残った中性脂肪は、体脂肪としてカラダの中に蓄えられます。 蓄えられた中性脂肪は、カラダを保温したり、外からの衝撃から臓器を守ったりもしています。

そんな大切な中性脂肪ですが、エネルギーとして消費されなかった分はどんどんカラダに蓄積されていってしまうので、 もし摂り過ぎの状態が続くと…中性脂肪が体内に過剰に蓄えられた状態……「肥満」になってしまいます。
中性脂肪が血液の中で多くなりすぎると、血液がドロドロになって、血管の中をスムーズに流れなくなってしまいます。 もともと血液には、カラダのすみずみまで酸素や栄養分を運ぶという大事なはたらきがあるので、ドロドロ血になってしまうとそれらをうまく運ぶことができなくなって、 恐ろしい動脈硬化を引き起こす原因にもなってしまいます!注意してくださいね!

「肥満」は、たまる場所の違いでそれぞれ皮下脂肪型肥満、内臓脂肪型肥満に分けられます。 皮下脂肪型肥満というのは、おしりや太ももなどの下半身の皮下脂肪が増えるタイプです。女性に多くみられるタイプで“洋ナシ型肥満”とも言います。内臓脂肪型肥満のほうは、腹部の内臓のまわりに脂肪がつくもので、男性に多く“リンゴ型肥満”とも呼びます。

さて“洋ナシ型”と“リンゴ型”、健康上、問題なのはどちらでしょう?答えはズバリ、“リンゴ型”です。内臓脂肪型肥満は、高脂血症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病と関係が深いことがわかっています。お腹がリンゴに見えてきたら、注意ですよ!
メタボリックシンドロームというのは、内臓脂肪型肥満によって、糖尿病、高脂血症、高血圧といった生活習慣病を併発して、 動脈硬化が引き起こされやすくなった状態のことを言います。

厚生労働省が発表した調査結果によると、メタボリックシンドロームに該当する人は、予備軍も含めると、 40~74才の男性の2人に1人、女性の5人に1人にものぼります。メタボを放っておくと、そのうち動脈硬化を引き起こして、心筋梗塞や脳梗塞といった死を招く恐ろしい病気になってしまうかもしれません!

メタボリックシンドロームには、食生活や生活習慣の乱れが関係していると言われています。食生活が欧米化した影響で動物性脂肪の摂取量がどんどん増えていって、それにともなって肥満人口も増加しているのですね。男性では、30~60代の3人に1人が「肥満」と言われています。もう他人事ではありませんよ!

では「肥満」を予防するにはどうしたら良いのでしょう?当たり前と言えば当たり前ですが、日々の食事で脂肪を摂り過ぎないことが大切です。1日の適正脂肪摂取量は50~70gと言われています。目安としては1日に摂取する総エネルギーの20-25%に抑えることを目指しましょう。「そうは言ってもなあ…」と嘆いているあなた、「“黒”の効能を知りましょう」を読んでみてくださいね。
