サントリー健康飲料の研究について

研究の歴史

積み重ねた研究が、飲料のおいしさと健康へとつながっていく。

創業間もない頃から力を注いできた研究への取り組みは、挑戦の歴史です。素材と向き合い、技術を磨き、ポリフェノールをはじめとする成分の探究へ——。いまある健康飲料は、長年にわたる研究の積み重ねによってもたらされたものなのです。

研究の歴史 タイムライン
  • ※1 OPC:オリゴメリックプロアントシアニジン
  • ※2 OTPP:ウーロン茶重合ポリフェノール
  • 1 「おいしさ」を求めて、積み重なった研究
  • 2 「おいしさ」と「健康」の研究成果が商品へつながる

1.「おいしさ」を求めて、
積み重なった研究

1900-1980年代
おいしさの本質をどこまでも深く、こだわりの技術を丹念に磨いて
サントリーでは、お酒や清涼飲料、健康食品、花など、多岐にわたる商品を手掛けています。
例えばワインやウイスキー、ビールが、ぶどうや大麦といった植物や良質な水からできているように、すべては自然の恵みから生み出されています。
今日のサントリーの企業理念「人と自然と響きあう」に通じる自然の恵みを探究する取り組みは、創業当時から変わらず、安全・安心を活動の基本に据えて現在に至っています。
研究の歴史 タイムライン 1900-1980年代

❶自然の恵みを活かし、
日本人ならではのおいしさを

探究心と技術で、”素材から成分へ”未知の世界を拓く

さまざまな自然の恵みへのこだわりは、どんな想いから生まれたのでしょうか。それは、おいしさの本質を探究する中で育まれた、「日本人の味覚に合う独自の商品を作りたい」という想いからです。例えばワインでは、日本のワインぶどうの父と称される川上善兵衛が岩の原葡萄園(新潟県)を創業し、日本の風土に適したぶどうで美味しいワインを作るために、その地で約1万種の品種交雑の中から誕生したマスカット・ベーリーAをはじめとする日本独自の品種を開発、さらに醸造技術を向上させ日本人の味覚に合うワインづくりに励みました。

❷探究心と技術で、
“素材から成分へ”未知の世界を拓く

探究心と技術で、”素材から成分へ”未知の世界を拓く

原料にこだわるだけでは、おいしい商品は生まれません。原料となる素材をどう生かすかを研究することで、さまざまな技術が磨かれていくのです。その一端を紹介すると、発酵などの醸造技術、いつもおいしい味を提供するための品質評価技術、そして、安全、安心な商品を提供するための安全性評価技術など、多岐にわたります。

その技術を磨くために1973年(昭和48)には、研究開発の中核施設として中央研究所を開設。蓄積した基盤技術を生かして独創性のある研究が進められていきます。例えば、お酒づくりに欠かせない酵母。厳選された原料を、どの酵母をどういうふうに用いて発酵すればおいしいお酒が生まれるのか。そしてそのような研究のなかで、酵母はどんな働きをしているのかが徐々に解明されていくことになります。

こうした飽くなき探究心と培った技術で、原料から香り、色、おいしさなどの成分へ、より微細な領域に研究対象が広がっていくのです。

❸おいしさに深く関わる成分、ポリフェノールに着目

おいしさに深く関わる成分、ポリフェノールに着目

原料からさまざまな成分を研究していく中で着目したのは、植物由来の成分であるポリフェノールでした。ポリフェノールは、ウイスキーや赤ワイン、ビールあるいはお茶などに含まれ、その色やおいしさ、品質保持に深く関わっています。例えば赤ワインでは、ぶどうの皮にたっぷり含まれているポリフェノールが、色や渋みなどワインのおいしさを生み出す大切な成分として働いています。またウイスキーは、大麦を発酵・蒸溜したすぐ後では無色透明なのですが、樽で熟成させると樽材からポリフェノールがしみ出し、さまざまな反応によって、美しい琥珀色や奥深い複雑な味わいを生み出します。

❹ポリフェノールを21世紀の研究テーマに掲げて

ポリフェノールを21世紀の研究テーマに掲げて

1987年(昭和62)、これからの食品事業の未来を開拓していくための基礎研究所が新たに開設されました。そして、その研究所で発案された21世紀に向けた大きな研究テーマのひとつが「健康」だったのです。高齢化が進み、健康に関する意識が高まる中で、特に関心を集めていたのは老化でした。体の老化とは、体内の細胞の酸化、つまり体が錆びていくことも原因のひとつだと考えられていました。

健康を保つには、抗酸化が大きな役割を果たすわけですが、すでにおいしさや色に着目し研究していたポリフェノールには、製品の品質を保つ抗酸化作用があることが分かっていました。そこで、その抗酸化作用に「人の体を守る働きもあるのではないだろうか?」という仮説のもとに、健康をテーマとしたポリフェノール研究が本格的にスタートしたのです。