水大辞典

知っているようで意外と知らない「水」のことが分かる! 水大事典。「水とからだの関係」や「硬水と軟水の違い」など、水のいろいろが満載です。
監修:東京大学総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座

水筒の歴史

命を支える道具としての「水筒」

太古の昔から人々は水を貯える容器を作りだしてきました。とりわけ水を持ち歩くための携帯容器には知恵をしぼったに違いありません。水筒は昔も今も「軽くて持ち運びやすい」のが絶対条件です。そこでもっぱら利用されたのが「皮革」「ひょうたん」「竹」といった自然物でした。これらで作った携帯用水入れは、現在も実用にされているものが多いようです。

水筒<皮革・ひょうたん・竹>

水筒<皮革・ひょうたん・竹>

命を支える道具から、生活を潤す道具へ

戦後さらにプラスチック製、ステンレス製などの水筒が続々と登場します。その一方で、高度経済成長の波が押し寄せる昭和30年代になると、家庭の食卓には二重構造からなる「魔法瓶」が普及しはじめ、30年代後半には、一重瓶に断熱材をかぶせた携帯用の保温水筒が発売されました。50年代には、従来のガラス製魔法瓶に加え、日本で開発されたステンレス製魔法瓶が登場し、その後保温・保冷効果を備え、かつ頑丈で割れない携帯用魔法瓶が、それまでの保温水筒に代わって普及していきました。

【参考文献】
『文化人類学辞典』 弘文堂
『日本大百科全書』 小学館
『世界大百科事典』 平凡社
前川久太郎/著 『道具が証言する江戸の暮らし』 小学館
日本民具学会/編 『日本民具辞典』 ぎょうせい
朝倉治彦 他/編 『事物起源辞典』 東京堂出版
『年表で見るモノの歴史事典』 ゆまに書房
江坂 輝彌・芹沢長介・坂詰秀一/編 『新日本考古学小辞典』 ニュー・サイエンス社
独立行政法人 水資源機構 「水の資料館>水の道具>水筒」
(http://www.water.go.jp/honsya/honsya/
referenc/siryou/dougu/07.html)
国土交通省>土地・水資源局>水資源部
(http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/
mizsei/index.html)
国際環境NGO FoE Japan>貿易と環境プログラム>「バーチャル・ウォーター」って何?
(http://www.foejapan.org/trade/
doc/040917.html)
東京大学生産技術研究所 沖・鼎研究室 「世界の水危機、日本の水問題」
(http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/Info/
Press200207/)
経済産業省>政策>地域経済産業「工業用水」
(http://www.meti.go.jp/policy/
local_economy/kougyouyousui/index.html)

くらしと水

  • 水の飲み方は大切
  • 水のリラックス効果
  • 飲料や料理での水の活用
  • 軟水、硬水、炭酸水
  • ミネラルウォーターの分類と効用
  • 清涼飲料水
  • 私たちの生活に欠かせない水
  • 災害のときの水の大切さ
  • 工業用水
  • 農業用水

世界の水文化

  • 「世界水の日」と日本の「水の日・水の週間」
  • 水の都
  • 砂漠(沙漠)の知恵
  • 氷の力
  • 水をコントロールする技術
  • 旅する水
  • 癒しの水
  • 水筒の歴史

水の科学

  • 氷・水・水蒸気…水の三態
  • ものを溶かす天才「水」
  • 水の循環
  • 水の種類
  • 海水と河川の循環
  • 植物と水
  • 魚と水
  • 動物と水
  • 人間と水
  • 出ていく水ととりこむ水
  • 体内での水分の働き

水と環境

  • 日本の水資源
  • 節水の工夫
  • 水を汚さないための工夫
  • 涵養(かんよう)活動
  • 森林の働き
PageTop