水大辞典

知っているようで意外と知らない「水」のことが分かる! 水大事典。「水とからだの関係」や「硬水と軟水の違い」など、水のいろいろが満載です。
監修:東京大学総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座

工業用水

工業用水の使用量と水としての特徴

1)
工業用水の量

工業用水は製造業などの産業活動に供給される水のことで、要な用途は、(1)ボイラー用、(2)原料用、(3)製品処理用、(4)洗浄用、(5)冷却用、(6)温度調節用などです。

使用量には、一度使用した水を回収して再利用している水量が含まれており、使用量全体の中で、回収利用している水量が占める割合を回収率と呼んでいます。

工業用水の使用量は1965年から2000年までの間に約3倍に増加しましたが、回収利用が進んだため、新たに河川等から取水することが必要となる水量は1973年をピークに減ってきています。

1日に使われる量としては、平成18年度現在、従業員30人以上の事業所だけで、「使用水量」ベースで1億4260万立方メートル/日、回収再利用を踏まえ減損した水量を補う「補給水量」ベースで3010万立方メートル/日となっています。

2)
工業用水はどこから?

工業用水の淡水補給水量の水源別の構成比は、平成18年現在、工業用水道が40.9パーセントと最大の水源となっており、次いでその他淡水(河川水、地表水及び伏流水)が27.3パーセント、地下水が25.2パーセント、上水道が6.6パーセントとなっています(平成18年工業統計表)。

水源別シェアグラフ

水源別シェアグラフ

工業用水のリサイクル(回収利用)

回収率(工業用水使用水量に対する回収水量の割合)については、昭和48年の全業種平均62.0パーセントから、その後の水使用合理化等の進展により平成18年には78.9パーセントまで上昇しています。

最近ではピンチテクノロジーを利用した水の再使用が、工業用水をリサイクルするうえで最先端の方法のひとつとなっています。

再利用の循環

再利用の循環

ピンチテクノロジーとは、実測に基づいて「需要側(用水)」と「供給側(回収水)」の水質と量を示す2種類の線(コンポジットカーブという)を描き、それらをどんどん近づけて2種類の線の幅を狭くし(つまむ)、再使用可能な回収水量を把握・解析し、用水利用の最適化を図る手法です。これは、例えば家庭でのお風呂の残り湯を洗濯に再利用するように、製造工程ごとに排水の水質を調べた上で、求められる水質レベルに応じた工程で再利用する手法です。

【参考文献】
国土交通省>土地・水資源局>水資源部
(http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/
mizsei/index.html)
国際環境 NGO FoE Japan>貿易と環境プログラム>「バーチャル・ウォーター」って何?
(http://www.foejapan.org/trade/
doc/040917.html)
東京大学生産技術研究所 沖・鼎研究室 「世界の水危機、日本の水問題」
(http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/Info/
Press200207/)
経済産業省>政策>地域経済産業「工業用水」
(http://www.meti.go.jp/policy/
local_economy/kougyouyousui/index.html)

くらしと水

  • 水の飲み方は大切
  • 水のリラックス効果
  • 飲料や料理での水の活用
  • 軟水、硬水、炭酸水
  • ミネラルウォーターの分類と効用
  • 清涼飲料水
  • 私たちの生活に欠かせない水
  • 災害のときの水の大切さ
  • 工業用水
  • 農業用水

世界の水文化

  • 「世界水の日」と日本の「水の日・水の週間」
  • 水の都
  • 砂漠(沙漠)の知恵
  • 氷の力
  • 水をコントロールする技術
  • 旅する水
  • 癒しの水
  • 水筒の歴史

水の科学

  • 氷・水・水蒸気…水の三態
  • ものを溶かす天才「水」
  • 水の循環
  • 水の種類
  • 海水と河川の循環
  • 植物と水
  • 魚と水
  • 動物と水
  • 人間と水
  • 出ていく水ととりこむ水
  • 体内での水分の働き

水と環境

  • 日本の水資源
  • 節水の工夫
  • 水を汚さないための工夫
  • 涵養(かんよう)活動
  • 森林の働き
PageTop
このサイトに関するご意見・ご感想をお願いします。