知っているようで意外と知らない「水」のことが分かる! 水大事典。「水とからだの関係」や「硬水と軟水の違い」など、水のいろいろが満載です。
監修:東京大学総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座
災害が起きると、何より急がれるのがライフラインの確保・復旧です。ライフラインとは、生活に不可欠な水道、電気、ガスなどの供給システムの総称で、その名の通り「生命線」です。水道管がなんらかの形で被害を受ければ、たちまち蛇口の水は断たれ、水のない不自由な生活を強いられることになります。
渇水、水質事故等、断水に至るまでの原因はほかにもありますが、影響が大きいのは災害による水道施設の損壊です(※1)。地震大国である日本では、特に地震に伴う影響が懸念されており、実際にこれまでも各地で大きな被害が出ています。
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※1:
災害・事故等に伴う影響について
- ●地震
- おもに水道施設の破損が原因で発生します。災害が突発的に生じるため、地震の規模によっては被害が広域におよび、その影響が長期化する点がほかの災害と大きく異なります。
- ●台風、豪雨
- 洪水等による施設の破損・流出、広域的な停電による水供給機能の停止により発生します。
- ●水質事故
- 有害物質を含んだ汚水の水源への流出、廃棄物の不法投棄や車両事故に伴う水源の汚染等によって発生します。
では、水が断たれたときにはどうすればよいのでしょうか。災害はいつ、どこにでも起こりうるとして、各自治体でも様々な対策を行っています。
●給水拠点の設置
東京都では緊急時の給水に備え、2キロメートルの距離内に1か所の割合で給水拠点を設置(平成17年10月現在195か所)しています。うち74か所が震災対策用応急給水槽となっており、全体で約102万立方メートルの飲み水が確保されています。これは、都内約1200万人に対し1日3リットルの給水を行うとして、約4週間分の量に相当します。
【参考文献】
『平成16年版 日本の水資源』 国土交通省
『平成17年度 日本の水資源』 国土交通省
国土交通省
(http://www.mlit.go.jp/)
内閣府防災情報
(http://www.bousai.go.jp/)
東京都水道局
(http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/)
総務省消防庁
(http://www.fdma.go.jp/)