森づくり最前線

ワシ・タカ子育て支援プロジェクト

ワシやタカが、子育てをできる。
それは、その環境が生物の多様性に
満ちている証。だから進めています。
ワシやタカが、子育てをできる森づくり。

日本各地の「サントリー天然水の森」には、様々な猛禽(もうきん)類、つまりワシやタカ、フクロウやハヤブサの仲間達の姿が見られます。

姿が見られるだけではありません。巣を作り、子育てをする様子も数多く確認されています。

猛禽類=猛々しい鳥類というくらいですから、ワシやタカの仲間には、ちょっと恐いイメージがあるかもしれません(だからこそ、かっこいい、美しい、とも思えるのですが…)。でもでも、そのヒナたちときたら、モフモフの最たるものです。

カ・カワイイ!
どうか無事に大きくなりますように!!
手放しで応援したくなります!!!

巣箱から姿を現した、巣立ち目前のフクロウのヒナたち

フクロウは本来、大きな樹の幹に自然にできる洞を利用して子育てをします。けれども、フクロウが営巣できるほど大きな洞は、めっきり少なくなりました。そこで私たちは、樹洞の代わりになる巣箱を設置してフクロウの子育てを支援する〝フクロウProject〟を推進しています。写真は、そうした巣箱から姿を見せてくれたヒナ。カワイイでしょ。モフモフの代表としてご紹介します。

私たちがワシやタカの子育てを支援する、深い意味。

猛禽類の子供たちのかわいらしさに、つい興奮してしまいました。ごめんなさい。ここからは改めて、私たちサントリーが、水と生命(いのち)の未来を守る「天然水の森」の活動のひとつとして、ワシやタカの子育てを支援する理由、深い意味について、お伝えしたいと思います。何やら難しそうな……とお感じになるかもしれませんが、どうか、しばらくお付き合いください。

「すんでいる」のと「子育てできる」のでは大違い。

実は、森やその周辺にワシやタカが「すんでいる」ことと「子育てできる」ことの間には、とっても大きな違いがあります。何といっても子育ては大変ですからね。では、どのような違いがあるのかお話しする上で、まずは下の図をご覧ください。

これは、森にすむ生き物たちを〝食物連鎖〟の関係性から描いた概念図。いわゆる「生態系ピラミッド」と呼ばれるものです。土台の部分に土と様々な植物、その上に植物を食べる草食動物、その上に植物も動物も食べる雑食性の動物、動物を食べる肉食動物が描かれています。
〝食べる・食べられる〟の関係で見れば、食べられる側が、食べる側よりもたくさんいないことには生態系は成り立ちません。

ですから生態系の模式図は、下に行くほど広がるピラミッド型になるのですね。この図式を基に、ワシやタカが子育てできることの意味を考えてみましょう。

食物連鎖の観点で最上位に位置する猛禽類

ワシやタカが子育てできるのは、
環境が豊かな証。

ワシやタカたちが単に生きていくだけなら、食料は自分が食べる分でこと足ります。エサが不足したら、あちらこちら移動しながら、生きるのに十分な食料を得ることもできるでしょう。でも子育てとなると話は別です。

ヒナを育てるオオタカ・薮内正幸 画

先程、巣箱から姿を現したフクロウのヒナをご紹介しました。オオタカなどのヒナについても、その愛らしさを写真でお伝えしたいところですが、巣の親子にストレスを与えないよう、私たちはなるべく写真撮影を控えています。
そこで、ここには、写真の代わりに薮内正幸さんのイラストを掲載することにしました。どうぞ、ご理解ください。
追伸:鳥をいきいきと描く薮内さんの作品の数々は、「サントリーの愛鳥活動-日本の鳥百科」でもたっぷりお楽しみいただけます。〝日本の鳥百科〟は、解説・こぼれ話、写真、それに鳴き声をまじえ、160種類以上の鳥をご紹介するサイトです。

食欲旺盛な愛しいヒナのために、大量の食料を運び続けなければなりません。巣からそれほど遠くない範囲に、エサとなる小動物が、いつでも獲れるだけ、たくさん生息している必要があります。
ということは、逆に言えば、ワシやタカが「子育てできる」場所には、ワシやタカのエサとなる小動物がたくさん生きていることになります。
そしてさらに、ワシやタカのエサとなる小動物のエサとなる生き物も、さらにその生き物のエサとなる生物もたくさん生きていることになります。
つまりワシやタカが「子育てできる」というのは、その場所が、生物の多様性に満ちた豊かな環境である証なのです。

ワシやタカが子育てをできるかどうか。それは環境の豊かさを知る重要なバロメーターです。だから私たちは、「ワシ・タカ子育て支援プロジェクト」を進めています。水と生命(いのち)の未来を守る森づくりのひとつとして。

「天然水の森」で子育てをしないワシやタカにも、「天然水の森」の豊かさの恵みを。

日本で繁殖する猛禽類には、春、日本にやってきて子育てをして、秋になると越冬のために遠く南の島々へ旅立つ種がいます。いわゆる〝渡り〟をする仲間。ハチクマやサシバが、その代表です。

南の島を目指し、上昇気流に乗って上空に舞い上がるサシバ

そんなハチクマやサシバの渡りの様子を見てみると、ルート上に「天然水の森」が点在することがわかります。

ハチクマとサシバの渡りのルートと「天然水の森」の位置関係

渡りの際に、栄養補給のためにエサを獲る場所として「天然水の森」を利用していることは予測できることですし、事実、そうした調査報告もあります。<ワシ・タカの子育て支援プロジェクト>の豊かな森づくりは、「天然水の森」ではないところで子育てをするタカにも、恵みをもたらしているはずです。

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