領土をかけた熱い戦い!「峠の国盗り綱引き合戦」がサントリー地域文化賞を受賞しました
山並みが続く長野と静岡の県境・兵越(ひょうごし)峠で、年に1度「領土」をかけた熱い戦い綱引きイベントが繰り広げられます。この「峠の国盗り綱引き合戦」が「第36回サントリー地域文化賞」を受賞しました!
サントリー文化財団が地域文化の発展に貢献した個人や団体を顕彰する「サントリー地域文化賞」。全国の地域文化活動の発展・向上を応援したいという想いから、音楽、美術、歴史・伝統継承、国際交流などの活動を対象に顕彰しています。第36回目となる今年は、全国の5団体が受賞しました。
その一つが、静岡県浜松市・長野県 飯田市で行われる「峠の国盗り綱引き合戦」。行政区画と山で隔てられたこの二つのまちが、大人の遊びとしての「綱引き」に真剣に取り組むことで、かつての交流を取り戻し、地域の活性化を行っていることに注目が集まり、受賞となりました。
「峠の国盗り綱引き合戦」 とは?
浜松市天竜区水窪町と長野県飯田市南信濃、この2つの地区は、かつて遠州と信州を結ぶ街道沿いにとなりあう宿場町として栄え、人の交流もさかんでした。
ですが、自動車の普及とともに交流が少なくなり、徐々に「近くて遠い存在」となっていきました。
そこで、 2つの町の商工会青年部の皆さんが、「もう一度、地域のつながりを復活させよう!」と1987年から始まったのが、「峠の国盗り綱引き合戦」。毎年10月に、静岡と長野の県境"兵越(ひょうごし)峠"で「遠州軍」と「信州軍」が領土をかけて綱引きを行います。というのも、3本勝負で先に2勝した軍が、1メートル「国境」(県境)を相手方に広げることができるというルールになっているからです。戦国の合戦に見立てて、真剣勝負の熱い戦いが繰り広げられます。
両軍ともに、地元の商工会青年部の強者10人ずつが対戦。その中には女性の参加も必須となっています。
昨年までの戦績は、遠州軍が12勝、信州軍が15勝!現在、「国境」を示す立て札は3メートル静岡側に寄っているんですよ。
「長野に海を」、「静岡に諏訪湖を」が両軍の合言葉!実現するころには、何万回も交流して仲良くなってしまうのでは、ということだそうです!回を重ねるごとに練習にも力が入り、「遠州軍」は天竜区役所の職員を相手に、「信州軍」はブルドーザーを相手に特訓を重ねているというから驚きです。この県の境を越えた交流の一方で、各地区の結束も高まっているようですね。
また、可愛らしい地元の子供たちによる綱引きや、一般の方による交流試合なども行われ、バザーや地元の物産店なども開かれるなど、誰もが楽しめるイベントとなっています。
今年も「国盗り綱引き」は10月26日(日)に開催予定。皆さんも兵越峠を訪れて、県境地域同士の交流を盛り上げようとするユニークなこのイベントに参加して、戦国時代に想いを馳せながら熱い戦いに声援を送ってみてはいかがですか♪
この"綱"を絆として、2つのまちの交流が末永く続いていけばいいですね!
これからもサントリーは地域文化の発展を応援していきます!
▼関連リンク
・サントリー文化財団「地域文化賞」のサイト
・第36回 サントリー地域文化賞決定(ニュースリリース)