【サントリー地域文化賞】川尻の"和菓子職人グループ"「開懐世利六菓匠」(熊本)が受賞!
9月26日、「第36回サントリー地域文化賞」贈呈式にて、熊本県川尻地区の和菓子職人の街づくり団体「開懐世利六菓匠(かわせり ろっかしょう)」が受賞しました!
公益財団法人サントリー文化財団が、地域文化の発展に貢献した個人や団体を顕彰する「サントリー地域文化賞」は、1979年に創設され、今年は第36回。30年以上にわたって、全国の地域文化活動の発展・向上をともに願い、活動を続けています。本年度も全国で5団体が受賞しました。
今回の受賞では、地域の小・中学生たち向けの和菓子の手作り体験教室の開催や、技を凝らした「工芸菓子」の展示・実演販売、また全国菓子博覧会の招致など、和菓子を通したまちおこし活動が評価されました。
▼サントリー地域文化賞 熊本県熊本市『開懐世利六菓匠』紹介ムービー
◆「開懐世利六菓匠」とは?
古くから交易の拠点として栄えてきた熊本市南区川尻地区は、刃物や桶、染色工房や酒造を抱える「職人の町」。通りには古い町並みや史跡が点在し、歴史情緒を感じる景観が魅力です。
「開懐世利六菓匠」は、そんな川尻地区の和菓子店6店(「天明堂」「菓舗いしはら」「立山菓舗」「菓舗梅園」「菓舗かずさや」「岩本菓舗」)の店主が、川尻の文化を盛り上げようと集まった和菓子職人グループです。
ちなみに「開懐世利」とは、「川尻」を昔「開懐世利」と記載していたことに由来しているのだそう。かつて交易で栄えたこの地に「再びにぎわいを呼び込もう」との想いが込められているんですよ。
◆「工芸菓子」の実演販売!
「開懐世利六菓匠」の主な活動には、毎年2月の第1土・日曜日に開催される「和菓子とのふれあい工房」。
技を凝らした工芸菓子の展示・実演販売が楽しめます。「和菓子を目と舌で楽しんでもらおう」と1993年にはじめられたこのイベントは、今では2日間で7千人を超す人が訪れるほどの人気です。
◆県内学校での「お菓子教室」
熊本県内の小・中学校や高校で年50回もの「お菓子教室」を開催。和菓子づくりを通じて、食材本来の味や色、手作りの大切さを伝えています。現在(いま)だけではなく、将来の和菓子文化を継承してくれるであろう子どもたちへの教育にも力を注いでいます。
そんな活動も実を結び、川尻では100円玉を握り締めた子どもたちが和菓子を買いに来てくれるんだそうですよ♪子どもたちにも和菓子がしっかり根付いた証拠ですね。
全国に「川尻といえば和菓子」というイメージを浸透させつつある「開懐世利六菓匠」。その取組みの様子は、全国でも類を見ない和菓子を通じた町おこしとして注目されています。
「開懐世利六菓匠」の方の、次の目標は「川尻の共同銘菓作り」とのこと。県の依頼で在来種「肥後小豆」を使った商品開発の経験を踏まえて、生産者と組んで熊本独自の農産物を使った菓子を開発することを目指しています。提供用の器も熊本産でそろえるなど、より地元のオリジナル性の高い「六菓匠ブランド」のお菓子が楽しみですね。
九州の皆さんの中にも、川尻の和菓子文化を、初めて知った方もいらっしゃるのでは?こうした機会に、地元の伝統・芸術・文学などにあらためて思いをはせることで、地域の文化を継承することの尊さを感じますね。皆さんの故郷には、どんな伝統・文化が語り継がれていますか?
これからもサントリーは地域文化の発展を応援していきます!
▼関連リンク
・サントリー文化財団「地域文化賞」のサイト
・第36回 サントリー地域文化賞決定(ニュースリリース)