【サントリー地域文化賞】自然あふれる地方都市を豊かな音楽が満たす「瀧廉太郎記念音楽祭」
※第72回瀧廉太郎記念全日本高等学校声楽コンクール閉会式での、入賞者・審査員等参加者による「荒城の月」合唱の様子。
大分県竹田市で1947年から70年以上続く歴史あるコンクール、「瀧廉太郎記念音楽祭」。全国に先駆けて地方都市で音楽コンクールを立ち上げ、市民参加型の運営やエリアを拡大しながら、毎年開催されてきた点が高く評価され、「第41回 サントリー地域文化賞」を受賞しました!
■「サントリー地域文化賞」とは?
※昨年の様子。
サントリーは、地域文化活動の発展・向上を応援したいという想いから、毎年「サントリー地域文化賞」を贈呈しています。
全国各地で展開されている芸術、文学、伝統の保存・継承、衣食住での文化創出、環境美化、国際交流などの様々な活動を通じて、地域の文化向上と活性化に貢献した個人や団体が顕彰され、1979年の創設以来、全国すべての都道府県より受賞者が生まれています。
第41回目となる今年、九州エリアでは「瀧廉太郎記念音楽祭」と「高千穂神楽」が受賞しました!
■歴史ある音楽コンクール「瀧廉太郎記念音楽祭」
※第9回コンクールの様子。
大分県の南西部に位置する竹田市は、くじゅう連山や阿蘇外輪山、祖母山麓に囲まれ、竹田湧水群や久住高原を擁する、水と緑があふれる自然豊かな城下町です。
23歳という若さで夭折した作曲家・瀧廉太郎が幼少期を過ごした場所としても知られ、この地で名曲「荒城の月」の曲想を得たという縁もあり、"音楽のあるまちづくり"を掲げています。
1947年、戦後の復興の象徴として人々に夢と元気を与えようと、瀧廉太郎没後45周年を記念して「楽聖・瀧廉太郎追悼45周年記念音楽祭」がスタート。県の高校声楽コンクールや、管弦楽の演奏会などが開催されました。
第3回から九州各県音楽高等学校声楽コンクールを開始し、第5回からは西部日本高校声楽コンクールへとエリアを広げていきました。1992年の第46回からは、現在の全日本高等学校声楽コンクールへと拡大するとともに、1位と2位の入賞者へのウィーン短期留学制度も創設しています。
日本を代表する芸術大学や、音楽大学の教授陣が審査員を務める「瀧廉太郎記念音楽祭」。声楽家を目指す高校生の間では"タキレン"の名で親しまれ、若手声楽家の登竜門となっています。
■市民が支える若手声楽家の登竜門
「瀧廉太郎記念音楽祭」は、例年10月中旬の3日間に開催されるコンクールで、開会式、予選、本選が行われます。人口およそ2万人強の竹田市にとっては、「瀧廉太郎記念音楽祭」はまさに年に一度の市を挙げての大行事!約2,000人の観客のうち、なんと8割弱が地元住民なんだとか。
また、市内では6つの合唱団を始めとする音楽団体が活発に活動しており、2018年には「竹田市少年少女合唱団」が10年ぶりに再結成されるなど、地域の音楽シーンはますます活性化しています。
"音楽のあるまちづくり"を推進する市にとっては、瀧廉太郎への想いと誇りを実感できる象徴的な活動であると同時に、市民が音楽に触れ、音楽を愛する大きなきっかけになっているといえます。
コンクール期間中には、延べ500人近くの市民ボランティアが活躍してコンクールを支えています。
レセプションなどで手作りの郷土料理を提供したり、自らで育てた観葉植物を装飾したりするなど会場内での活動も盛んに行われています。さらに、出場する高校生やその家族、引率者といった市外からの来訪者の宿泊、送迎、観光案内など会場外でのボランティア活動も積極的に行われています。
2013年からは、瀧廉太郎の留学先が縁となり国際メンデルスゾーン基金から「ライプツィヒ賞」がコンクール優勝者に贈られ、1位・2位入賞のウィーン留学生にライプツィヒ市への訪問も実施しています。
今後はコンクールとして、競い合い評価する場であることにとどまらず、交流のあるライプツィヒやウィーンとの協力関係を強化しながら、若い声楽家たちの更なる育成に貢献するなど、新たな挑戦に期待が寄せられています。
行政と市民が一体となった実行委員会が運営を担い、不況や災害等の苦難を乗り越えて、72年間一度も休むことなく継続している「瀧廉太郎記念音楽祭」。サントリーは、これからも地域文化の発展を応援していきます。
※記事下の「いいね!」ボタンから、この記事のご感想やコメントなどお寄せください。
▼関連リンク
・サントリー文化財団「地域文化賞」のサイト
・第41回 サントリー地域文化賞決定(ニュースリリース)