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2019/08/23

【サントリー地域文化賞】地域の魅力を発信し伝統的な「神楽」を継承する「高千穂の神楽」

宮崎県高千穂町の高千穂神社で毎日行われる「高千穂の神楽」。約50年にわたり毎日休まずに続けられ、その魅力を国内外へ発信し続けています。
「高千穂の神楽」は地域の魅力発信のみならず、演者の技芸の向上や伝統的な神楽の後継者育成にも繋がっている点が高く評価され、「第41回 サントリー地域文化賞」を受賞しました!

■「サントリー地域文化賞」とは?

※昨年の様子。

サントリーは、地域文化活動の発展・向上を応援したいという想いから、毎年「サントリー地域文化賞」を贈呈しています。
全国各地で展開されている芸術、文学、伝統の保存・継承、衣食住での文化創出、環境美化、国際交流などの様々な活動を通じて、地域の文化向上と活性化に貢献した個人や団体が顕彰され、1979年の創設以来、全国すべての都道府県より受賞者が生まれています。
第41回目となる今年、九州エリアでは「高千穂の神楽」と「瀧廉太郎記念音楽祭」が受賞しました!


■古くからこの地に伝わる高千穂の「神楽」
険しい山々に囲まれ、日本神話ゆかりの地として知られる宮崎県高千穂町。
毎年冬季には、夜を徹して氏神に神楽を奉納する「夜神楽」が行われます。既に鎌倉時代初期にはこの地で神楽が行われていたという記録もあり、大変長い歴史がある民族芸能です。

「夜神楽」とは、新穀収穫に感謝を捧げ、五穀豊穣を祈願するお祭り。個人宅や公民館などの「神楽宿」に各集落の氏神を招いて行われます。
集落ごとに多少の違いはありますが、大抵は夕方に神楽が始まり、20名前後の奉仕者殿(ほしゃどん)と呼ばれる舞手が笛や太鼓に合わせて33番の舞を奉納し、翌日の昼前後に終了するそうです。

祭りの準備や見物客に酒や食事を振舞うために、奉仕者殿以外にも大勢の住民が駆けつけます。国内外から、一晩でなんと500人近くの見物客が訪れる時もあるそうですよ!
現在も、毎年11月から翌年2月にかけて、このような「夜神楽」が21の集落ごとに奉納されています。


■「高千穂の神楽」とは?
高千穂町では、各集落での「夜神楽」とは別に、観光客向けの「高千穂の神楽」を365日高千穂神社で上演しています。33番ある舞から代表的な4番を短くまとめて1時間で公開しており、多い日には100人以上が訪れるほどの人気ぶり。

高千穂町には名勝高千穂峡を目当てに、元々多くの人が訪れていましたが、この「高千穂の神楽」は、「観光客のために、夜間の観光スポットをつくりたい」という旅館関係者の声を受けた観光協会が主導し、1972年に発足。現在まで50年近く休まずに続けられています。

演者を務めるのは、各集落の奉仕者殿たち。「高千穂の神楽」のおかげで、1年を通して舞を披露する機会ができ、演者の技芸の向上やモチベーションの維持につながっているようです。後継者の育成にも大きな役割を果たしているんですね。


■高千穂の「神楽」の現在とこれから
農業が主要産業である高千穂にとって、神楽は重要な神事であると同時に、人々が集って楽しむことができる、地域になくてはならない存在です。
集落によって舞に違いもありますが、皆さんそれぞれが「うちの神楽が一番だ」と笑うそうです。人口減少が進む中でも、奉仕者殿の人数は初心者も含めて500人あまり。そのうち、140人は10代から20代の若者なんだとか!

それでも人手不足に陥ってしまう地域では、夜神楽の代わりに「日神楽」として日中に短い舞を奉納したり、他集落の奉仕者殿に助っ人として参加してもらったりして神事としての神楽を続けています。兼業農家の増加に伴って、旧暦を基準に行っていた「夜神楽」を休日に開催するようになった集落も多いそうです。

また、未来への神楽を継承していくために集落同士の連携を強めようと、2017年には「高千穂の夜神楽伝承協議会」を設立し、ユネスコの無形文化遺産登録を目標に掲げて活動を続けています。

高千穂の人々は伝統に誇りをもちながら、祭りを楽しみ、柔軟に活動を続けています。地域への想いから創られた「高千穂の神楽」が、これからも神楽の伝統を守り紡いでいくのですね。
これからもサントリーは地域文化の発展を応援していきます!

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▼関連リンク
サントリー文化財団「地域文化賞」のサイト
第41回 サントリー地域文化賞決定(ニュースリリース)

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