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2020/12/07

【第42回サントリー地域文化賞】村ぐるみで幅広い世代が継承している地芝居初の国重要無形民俗文化財「長野県大鹿村 大鹿歌舞伎」(長野)

20201207_suntory_prize_cca_nagano_ooshikamurakabuki_TOP南アルプスの山麓に位置する人口1,000人弱の大鹿村(おおしかむら)。そんな大鹿村には、古くから地域に伝わる「大鹿村歌舞伎」と呼ばれる地芝居があります。大鹿村では「大鹿村歌舞伎」を"村の宝"として、村ぐるみで支える仕組みをつくり、幅広い世代が活躍しながら継承しています。そんな、大鹿村での「大鹿村歌舞伎」に対する取り組みが高く評価され、「第42回サントリー地域文化賞」を受賞しました!



■「サントリー地域文化賞」とは?20201207_suntory_prize_cca_nagano_ooshikamurakabuki_001

※写真は、昨年の様子

サントリー文化財団が、地域文化の発展に貢献した個人や団体を顕彰する「サントリー地域文化賞」。
全国の地域文化活動の発展・向上を応援したいという想いから、音楽、美術、歴史・伝統継承、国際交流などの活動を対象に、設立以来40年にわたり、全国の地域文化活動を対象に評価、顕彰を行っています。
1979年の本賞創設以来、全国すべての都道府県より受賞者が誕生し本年度の受賞者を含めて総数は225件に達しました。
42回目となる今年は、全国の6団体(うち1団体は特別賞)が受賞されました。


■長野県大鹿村「大鹿歌舞伎」の歴史20201207_suntory_prize_cca_nagano_ooshikamurakabuki_002「大鹿歌舞伎」は、250年以上前から各集落の神社の奉納歌舞伎として演じられてきました。江戸から大正期にかけて歌舞伎の上演が禁止されていた時代も、弾圧をかいくぐって継承されてきたのです。村内に点在する境内に13もの舞台が建てられたことからも、村の人々にとって心の拠りどころであったことが見てとれます。
高度経済成長期には多くの若者が村を離れていきました。これまでの集落ごとの継承では存続が難しいという危機感から、太夫であり大鹿村教育長でもあった片桐登氏が中心となり、1956年に「大鹿歌舞伎保存会」を発足させました。村長をはじめとする支援者が集い、主に経済面の基盤を整えたのです。


■「大鹿歌舞伎」を継承していくための取り組み「信州大鹿歌舞伎愛好会」
1958年には「信州大鹿歌舞伎愛好会」を立ち上げました。村全体から地芝居の愛好者が加わり、各集落で受け継がれてきた型や決まりを統一する作業を行ったのです。こうして村ぐるみで地芝居を支え、演じる体制が整ったことが大きな契機となり、広く村民に愛されながら「大鹿歌舞伎」が今日まで継承されることに繋がっています。

現在、愛好会には20代から90代までの35名が所属し、毎年春と秋に定期公演を行っています。役者、太夫(三味線弾き語り)、拍子木、下座、舞台、衣装、髪結いなど、上演にかかわるすべてを自前で行うのが大きな特徴。レパートリーは30演目あり、なかでも「六千両後日文章 重忠館の段」は大鹿村だけに伝わる幻の演目です。
現存する7つの舞台の装置や演出にも「大鹿歌舞伎」ならではの独自性が残されています。四方を山々に囲まれた境内で、地芝居を通じて舞台と客席とが一体となります。そのハレの雰囲気に魅了され、村民のみならず県内外から1,000人以上の熱心なファンが訪れています。


■若い世代へと受け継ぐ機会となっている総合学習授業「大鹿タイム」20201207_suntory_prize_cca_nagano_ooshikamurakabuki_003「大鹿歌舞伎」が若い世代へと受け継がれる秘密がもう一つあります。それは、1975年に発足した中学校の部活動「歌舞伎クラブ」を継承する形で、2000年から始まった総合学習授業「大鹿タイム」。
生徒が年間50時間、愛好会指導のもと「大鹿歌舞伎」の練習に励みます。最初は受け身の生徒も、先輩の姿や愛好会の熱意に触れ、3年生になる頃には夢中になるのだとか。今では「大鹿タイム」経験者が「大鹿歌舞伎」愛好会メンバーの役者の5割を占めています。地域の伝統芸能を演じる若い世代の姿が村の人の励みとなり、地域を盛り立てています。


■国重要無形民俗文化財に指定された「大鹿歌舞伎」20201207_suntory_prize_cca_nagano_ooshikamurakabuki_0042017年3月、「大鹿歌舞伎」は地芝居では初の国重要無形民俗文化財に指定されました。 江戸中期から大鹿村に伝承されてきた「大鹿歌舞伎」は、独特な演出や演目を持つなど「わが国を代表する地芝居」として評価されたのです。
「大鹿歌舞伎」は神社の境内における古来の観劇形態を最も重視する一方で、村外からの公演依頼により数々の大舞台でも演じてきました。1992年にドイツ、オーストリアの二ヶ国6都市で海外公演を行った他、2000年には国立文楽劇場(大阪日本橋)の桧舞台を踏み、大鹿村にのみ伝わる演目「六千両後日 文章 重忠館の段」が上演され、地芝居の素朴な魅力で歌舞伎ファンを魅了しました。全国でもひときわ輝きを放つ「大鹿歌舞伎」は、ひとつの文化継承の形を見せています。

過疎化と向き合いながら地域に伝わる文化を次世代へとどう繋いでいくか、大鹿村の「大鹿歌舞伎」の取り組みにこれからも目が離せませんね。
これからもサントリーは地域文化の発展を応援していきます!

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▼関連リンク
サントリー文化財団「地域文化賞」のサイト
第42回 サントリー地域文化賞決定 (ニュースリリース)

タグ サントリー地域文化賞
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