【第46回サントリー地域文化賞】音楽の楽しさを届け、地域密着のもてなしで交流の輪を広げる私設ホール「蘭越パームホール」(北海道蘭越町)
北海道蘭越町(らんこしちょう)の私設ホール「蘭越パームホール」が、第46回「サントリー地域文化賞」を受賞しました!手づくりの約80席のホールに演奏家を招き、音楽の楽しさを広めながら、地域に根差したもてなしで観客と演奏家、地元の人々が集う場所を提供。ホールと音楽を中心とした心温まる交流の輪を広げている点が高く評価されました。
■「サントリー地域文化賞」とは
※贈呈式の様子
サントリー文化財団が、全国各地で展開されている芸術、文学、伝統の保存・継承、衣食住での文化創出、環境美化、国際交流などの活動を通じて、地域の文化向上と活性化に貢献した団体、個人に、毎年贈呈している「サントリー地域文化賞」。1979年の創設以来、第46回の受賞者を加えると245件を顕彰しています。
■交流の輪を広げる「蘭越パームホール」
※手づくりのぬくもりを感じる約80席の音楽ホール
ニセコ連峰等の山岳に囲まれた雄大な自然を有する人口4,500人ほどの農業中心の町・北海道蘭越町にある「蘭越パームホール」。このホールは、自身もよく訪れていたという私設「札幌パームホール」(現在は閉館)から備品を受け継いだり、土地を譲渡されたりしたことを契機に、代表の金子一憲(かねこ かずのり)氏が「蘭越町の人に質の高い音楽を聴いてもらいたい」との思いで、2003年に開館しました。
開館以来20年以上、演奏家をホールに招くなど、蘭越町の方々を中心に質の高い音楽を届けており、現在は冬季約半年を除き月に1~2回公演を開催。地元の大工・知人らの協力を得ながら、ほぼ自分たちの手でつくり上げたホールは、大変響きが良く、生音の臨場感が観客だけでなく演奏家をも魅了しています。
公演内容は定番のクラシックにとどまらず、ジャズやオペラといった様々な音楽、落語や人形劇といった芸能まで幅広く、小樽や余市などの後志(しりべし)地方、道外から訪れるファンもいます。公演時は、町内外の子どもから高齢の方まで幅広い音楽好きが集まり、大いに盛り上がります。
■第46回「サントリー地域文化賞」受賞理由
※演奏家と観客が交流する打ち上げ
公演後にホールに隣接する宿舎で行う「打ち上げ」も「蘭越パームホール」の醍醐味のひとつ。地元農家が持ち寄った新鮮な食材を使った料理を囲んで、演奏家と観客が交流します。さらに演奏家には、農家の収穫体験などで町民と交流したり、町内の温泉や羊蹄山(ようていざん)を望む絶景を堪能してもらったりと、蘭越流の温かいもてなしで過ごしてもらいます。
演奏家を招き音楽の楽しさを広めながら、地域に根差したもてなしで観客と演奏家、地元の人々が集う場所を提供し、ホールと音楽を中心とした心温まる交流の輪を広げている点を高く評価されたことが受賞につながりました。
近年は、演奏家による公演だけでなく、町のピアノ教室のためにホールを開放したり、小学生から大人までアマチュアの演奏家が集まる音楽祭「音楽の集い」を企画したりと、町民のための活動も拡大を続けています。「蘭越パームホール」にはこれからも、音楽と人々が集う喜びの声が響き続けるでしょう。
これからもサントリーは、日本の地域文化を応援していきます。
▼関連リンク
・サントリー文化財団「地域文化賞」のサイト
・第46回「サントリー地域文化賞」決定(ニュースリリース)