【第43回サントリー地域文化賞】凍った湖に雪と氷だけでつくる集落(コタン)で、冬の十勝の魅力を発信する「しかりべつ湖コタン」(北海道・鹿追町)
北海道鹿追町(しかおいちょう)で、毎年行われているイベント「しかりべつ湖コタン」が、第43回サントリー地域文化賞を受賞しました。
■「サントリー地域文化賞」とは?
※写真は、2019年度の様子
サントリー文化財団が、地域の文化向上と活性化に貢献した個人や団体に顕彰する「サントリー地域文化賞」。音楽、演劇、美術、歴史・伝統継承、国際交流、コミュニティ活動などを対象に毎年評価・顕彰を行い、1979年の創設以来、本年度の受賞者を加えると230件を顕彰、受賞者は全都道府県にわたっています。第43回目となる今回は、鹿追町の「しかりべつ湖コタン」を合わせた5つの団体が受賞。北海道からの受賞は、2019年の函館市の「函館西部地区バル街」以来2年ぶりとなりました。
■「しかりべつ湖コタン」とは?
「しかりべつ湖コタン」は、期間限定で氷上に現れる雪と氷だけでできた幻の村。コタンとはアイヌ語で村または集落を意味します。毎年、地域住民を中心としたスタッフが全力で楽しみながら運営し、冬の十勝の魅力を発信。その姿が多くの人々を惹きつける点が高く評価され、今回の受賞となりました。
1980年に若者3人が冬の然別湖(しかりべつこ)で楽しく遊ぶために、凍った氷の上にイグルー(カナダやアメリカに住むイヌイットが狩猟時に使う仮住まい)を作り始めたことがきっかけ。2年後に、この動きを知った湖畔のホテル経営者や鹿追町も協力してイグルー3戸をつ作りあげ、第1回「しかりべつ湖コタン」が開村しました。その後、メディアで取り上げられたことをきっかけに、地域の若者がこの"究極の冬遊び"に関わりたいと多数集まるように。それ以来毎年、然別湖が凍結する12月下旬以降、湖から切り出した氷や湖畔に積もる雪だけを使用して建造物が作られています。
より良いイベントにするために、試行錯誤を重ねて、今では様々な施設が作られています。例えば、この写真は世界初の「氷上露天風呂」。
こちらは、手作りの氷グラスで飲み物を楽しめる「アイスバー」。他にも、氷のベッドやテーブルが置かれた「ホテル」や、コンサートや展覧会などが行われる「ホール」といった10以上の建造物が立ち並び、国内外から4万人以上の訪問客が訪れています。
毎年、有志が集まり村を築き上げる「しかりべつ湖コタン」。集まる人々の"楽しみたい"という強い思いも魅力のひとつで、実行委員を筆頭に参加している人が楽しそうにする様子を見て、さらに人が集まってくるのがこのイベントの良さ。訪問客として訪れた人が次はボランティアとして参加するケースや、中にはボランティアに参加したことをきっかけに移住した人もいます。また、「しかりべつ湖コタン」が、地域住民が地元に住み続けたいと感じる理由にもなっています。
運営に関わる人や訪問客を魅了し、冬の十勝の魅力を発信する「しかりべつ湖コタン」。これからも地域の文化として末永く受け継がれていくでしょう。
これからもサントリーは地域文化の発展を応援していきます!
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▼関連リンク
・サントリー文化財団「地域文化賞」のサイト
・第43回 サントリー地域文化賞決定(ニュースリリース)
・しかりべつ湖コタン(外部サイトへリンクします)