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2017/08/28

【第39回サントリー地域文化賞】郷土の伝統芸能を継承!徳島県の人形芝居「阿波木偶箱まわし」

人形浄瑠璃が有名な徳島県に伝わる、人形芝居「阿波木偶箱(あわでこはこ)まわし」。
明治時代には徳島県のみならず全国で人気があった「阿波木偶箱まわし」ですが、社会変化の中で少しずつ姿を消していました。そんな中、郷土の素晴らしい伝統芸能が失われることを憂いた有志が、「阿波木偶箱まわし保存会」を結成。
失われつつあった文化を守るために様々な取り組みをしている点が評価され、「阿波木偶箱まわし」が「第39回サントリー地域文化賞」を受賞しました!

■「サントリー地域文化賞」とは

※昨年の授賞式の様子

サントリーは、全国各地に広がる地域文化活動の発展・向上を応援したいという想いから、地域の文化向上とその発展に貢献した個人や団体に「サントリー地域文化賞」を贈呈しています。
音楽、美術、歴史・伝統継承・国際交流など、様々な活動をしている団体に顕彰しており、第38回(2016年度)までの総数は204件、1979年の創設から30年以上続く、歴史ある賞です。徳島県では、昨年の「鳴門『第九』を歌う会」に続き、郷土の伝統芸能「阿波木偶箱まわし」が受賞しました!


■「阿波木偶箱まわし」とは
「箱まわし」とは一人遣いの人形芝居で、人形を箱に入れて担ぎ、家々や人の多く集まる大道などで演じられるものです。
演目は大きく分けて、傾城阿波の「鳴門」などの人気演目を大道で演じる「箱廻し」と、年明けに家々を廻ってその年の家内安全や商売繁盛を祈る「三番叟(さんばそう)まわし」の2種類があります。
明治のはじめには徳島県内に200人ほどの芸人がいて、地元のみならず全国を廻るほどの人気を誇っていた「箱まわし」ですが、時代の流れの中で徐々に姿を消していきました。

しかし、郷土の伝統芸能を失いたくないと想いを抱いたメンバーが、その伝統をこれからも守り続けようと立ち上がり、「阿波木偶箱まわし保存会」を結成。様々な取り組みを通じて、郷土の素晴らしい伝統芸能を守り広めています。


■「阿波木偶箱まわし」復活までの流れ
郷土の伝統芸能を守りたい、という想いで活動を行っている「阿波木偶箱まわし保存会」の現会長、中内正子氏。
現在、中内氏は正月明けの約2か月間、主に徳島県西部の家々を廻り、人々の幸せを祈る「三番叟(さんばそう)まわし」を行っています。

1979年、郷土の伝統を守りたい!という想いで立ち上がった辻本一英氏は、地元のお年寄りに「箱まわし」について聞き取り調査を行い、伝統芸能を復活するために様々な取り組みを実施しました。

1995年、辻本氏は有志を募って「阿波木偶箱まわしを復活する会」を結成。
活動の中で、県内でただひとり「三番叟まわし」を行っている芸人を探し当てました。
当時、「復活する会」のメンバーだった中内氏は、その芸人に弟子入りし、後に跡を継ぎました。


■伝統芸能を継承していくために
「阿波木偶箱まわしを復活する会」は、2012年に「阿波木偶箱まわし保存会」に改名しました。会員たちは一人遣いの人形芝居のプロから大道芸である「箱廻し」を習得し、浄瑠璃語りや三味線の練習も行っています。
また、かつて箱まわしの芸人が廻った家々や地域を訪ねて調査を続けており、残っていた人形の収集も進めています。

中内氏が師匠から譲り受けた「三番叟まわし」の道具一式は、国の登録有形民俗文化財に登録、そして人形による正月の祝福芸「阿波木偶『三番叟まわし』」は県指定の無形民俗文化財に選ばれました。

また、文化を次世代に継承していくため、小中学生を対象に「箱まわし子ども体験教室」を開催。ここを卒業した子どもたち30人がジュニアチームとして、会員とともに県内のイベントや独自公演にも参加しています。

※写真は、農業神事「鍬初め」で箱まわしをする様子

「阿波木偶箱まわし保存会」の結成や活動がなければ、確実に滅びていたであろう「阿波木偶箱まわし」。
今や徳島県が誇る郷土の伝統芸能として、多くの人々に知られ、愛されるようになりました。

郷土の伝統芸能を、これからも大切に守っていきたいですね。
サントリーは地域文化の発展を応援していきます!

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▼関連リンク
サントリー文化財団「地域文化賞」のサイト
第39回 サントリー地域文化賞決定(ニュースリリース)

タグ サントリー地域文化賞
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